トップ>HONDA CB50S>シリンダヘッド分解(2008年4月1日)
☆バルブの状態は想像通り
先週、バルブのシャフト折れが発覚、圧縮漏れとバルブがシリンダ内に落下しない現象から状態を推測、本日、シリンダヘッドを剥がし、その原因を探りました。 シリンダヘッド脱着の際、ゴムハンマーで強めにヘッドを叩いていたら、フィンを折ってしまいました!気を付けましょう・・・ 気を取り直してやさ~しくやさ~しく叩いていると、ようやくヘッドが浮いてきてました。 ヘッドを取り去るためにはフレームが邪魔になり、エンジン本体を降ろさないといけません。 エンジンマウントのボルトを外し、エンジンを完全に降ろさず、斜めにした状態でヘッド&シリンダを 抜くことができました。

シリンダヘッドが少~し浮き上がったところ ヘッドとシリンダ。この小さな部品だけで駆動力を生み出してる



ヘッドをひっくり返して燃焼室を見てみると・・・・ やはり!思った通りバルブとバルブシートに隙間ができた状態で止まっています。 バルブは手では押しても引いても動かない。 ポンチを使って折れたシャフトの先端をゴムハンマーでやさしくコンコン、すると、しずしずとバルブが抜けてきました。 お~!!なんとみごとにバルブが曲がってしまっています。
バルブが浮いたまま、動かない 曲がって斜めになってしまてるのがわかるかな?



☆傷だらけのカム
カムシャフト、カム受けもチェックしてみると・・・・
こっちは傷だらけ・・・・
カム受けは傷というよりも、えぐれてしまってる感じです。
こりゃ使い物になりません。
ほぼ、想像していた通りの状態でした。(カム受けの状態は想像以上)

カム、4輪に比べると本当に小さい シャフトの軸受け部の傷が酷い



☆バルブ破損の原因は?
バルブがこんなに曲がった状態で止まってしまってる、ということは、おそらく以下のようなトラブルが発生したのではないでしょうか?
①エンジン稼働中、何らかの理由(金属疲労?)でバルブシャフトが折れた
②バルブがシリンダ内へ落下しかけた
③そこへピストンが上昇してきて、バルブを叩いた
④衝撃でバルブが曲がり、バルブガイドに組み付いてしまった

だとすると、ピストンへのダメージが心配ですね。
でもほっとひと安心、ピストン、シリンダ内壁とも傷もなく、非常にきれいな状態でした。ガタも出ていません。クランクシャフトへのダメージもなかったようです。
燃焼室とピストン頭のカーボン付着もたいしたことはないですね。
バルブが折れて機能停止してしまうまでは、このエンジンはそれなりに調子がよかったのではないでしょうか。
綺麗なピストンです シリンダ内壁も傷なく綺麗です。よかった!