トップ>Triumph GT6 復活編>復活編最終回: 作業総括/費用公開(2004年06月)
☆オープンにして走らせる
車検取得の翌週、ハードトップを外し、初めてオープンにしてみました。
ハードトップがなかなか外れてくれず、大変でした。ボルトを抜いてもハードトップはびくともせず、どうやらゴムのパッキンが例によって溶けて固まってしまっているようです。
ハードトップとフロントウインドウのフレームの間にマイナスドライバーを当て、フレームを傷めないようにゴムハンマーでトントン叩いて固まったゴムを砕いていきます。 端から端まで一通りゴムを砕き、ようやく外れてくれました。

この日は暑さはさほど厳しくなく、ちょっと気持ちよくGT6を走らせることができました。でもやっぱり夏には厳しいなぁ・・・

このゴムががっちり固まってこびり付いてました オープンにしてみました。ロールバーはどんなもんか?

☆作業総括
この正体不明のGT6を入手したのが2月末のことでした。
1ヶ月もあれば復活できるだろう、という甘い推測をあざ笑うかのように 我がGT6は色々とトラブルを量産してくれ、結局復活までに3ヶ月を要してしまいました。
素人なりに無い頭を悩ませ、悪戦苦闘した復活作業をここで冷静に振り返ってみようと思います。

現象対処作業
エンジンがかかってもチョークを戻すとすぐにエンジンストップキャブの清掃と調整で一応アイドリングするようになった
ジェネレータから火がでるブラシを押さえるスプリングが逝かれていた。そのせいで接触不良を起こしているのだと思い、ブラシセットを購入、新品に交換した。が、この判断は間違っていたようだ。
ジェネレータブラシ、スプリングを新品に交換しても状況変わらずブラシ、スプリングを新品に交換しても現象は再発した。火で燃えかけた絶縁シートがダメになっていると判断し、ジェネレータを新品に交換した。が、その判断も間違っていた。
ジェネレータを新品に交換しても状況変わらずジェネレータを新品に交換しても現象は再発した。ということは、ジェネレータのスプリングが逝かれていたから火がでたのではなく、実際はその逆で、ジェネレータ以外のどこかのトラブルが原因でジェネレータが火を噴き、その結果、スプリングがダメになった、というのが真相だったのだろう。
キャブのオーリングからガソリン漏れオーリング交換により、漏れは止まった。
キャブのパッキンからガソリン漏れバラして組み上げるとき、元付いていたパッキンをそのまま使ったら漏れがでてしまった。当たり前か。自作パッキンに交換し、漏れは止まった。
電源のコントローラを新品に交換ジェネレータから火が出た原因として最終的に行き着いたのがコントローラ。新品を購入して交換したところ、見事に過熱は収まった。やったね!
ジェネレータの過熱は解消するも、スタータモータが回ったり回らなかったりこの原因はスタータソレノイドに間違いないと確信。新品に交換したところ、正常に回るようになった
スタータモーターは回るようになったがスパークが不安定こんどは点火系に問題発生。コイルへの電源供給はされているようだが、その先が怪しいか?試しにイグニッションコイルを新品に交換した。
イグニッションコイルを新品に交換するも状況に大きな変化無し作戦失敗か?単にイグニッションコイルの不良ではなかったようだ。
デスビキャップ、コンデンサ、ローター、プラグ、プラグケーブル、バッテリーまでも新品に交換するもやはりスパークは不安定こうなったら怪しい電気系統は全部交換だ!と、何でもかんでも交換したが状態の改善は見られない。どこかの配線の接触が悪いのか?
イグニッションコイルへの配線を引き直し、ようやくスパーク安定この作業をやったあたりからようやくスパークは安定しだしたが、正直なところ、色んな作業を一度にやっているので、配線の接触不良が犯人だったとは断定できない。
このあたりの作業ではかなり頭に来ていたので冷静さを失っており、客観的に原因を特定できずに終わってしまった。
スパークはほぼ安定しているが、エンジンが非常にかかりにくいキャブが悪いのかと疑いかけたが、よく考えて見るとガソリンが相当古い可能性のあることに気づき、新しいガソリンを注入。嘘みたいにエンジンのかかりがよくなった。
エンジン快調になるが、フロント側キャブのエアバルブが動作していない最終的にキャブの調整にとりかかった。バラして良く見ると、エアバルブのゴム製ダイアフラムが破れていた。エアバルブが持ち上がらないわけだ。交換し、正常になった。
ブレーキ圧ほとんどなし。シリンダーからフルードが抜けきった状態。前後ブレーキのオーバーホールに着手。キャリパーは分解し、リビルドキットでシールをすべて交換。リアもシリンダ本体とシューを新品に交換した。
ブレーキマスターシリンダの痛みが激しく、オーバーホールしても復活ならず中のピストンが結構錆でやられており、これを無理やり抜く作業でシリンダの内壁を傷めたようで、フルード漏れが出てしまった。
放置spit1500からマスターシリンダをGETしたが、サイズ(長さ)が大きすぎて取り付けできない放置スピットから取ってきたシリンダは程度が良い。錆もないし、シールもそのまま使えるほど。が、サイズが長すぎて付けられない。しょうがないのでボディの一部に穴を空けて取り付けた。
マスターシリンダのねじ径とブレーキラインのねじ径が合わない無理やりマスターシリンダをボディに取り付けたが、今度はラインのねじ径が合わない。結局、ラインのコネクタを放置spitのものに交換。OKと思いきや今度はラインのねじ山を潰してしまい、新品のブレーキラインに交換してなんとか難局をクリアした。
クラッチの圧は残っているが、ギアが入らないクラッチマスターシリンダをリペア済みのSpitfire MK4のものに交換した。
ワイパーが動かないモーターのギアの山が完全に磨耗しきっており、モーターの回転を伝えられていない。放置spit1500から失敬してきたモーターに交換。問題なく動作した。
ストップランプが正常に点かないランプの接触不良を解消し、ストップランプスイッチの取り付け位置を調整し、復活。
ダッシュパネルがあまりにみすぼらしい合板を元の型に切り出し、磨いてそれなりのパネルを自作した。
サイドブレーキが効かず、調整しても効果なし分解まではしたが、本来のサイドブレーキとまったく構造の違う機構が取り付けられていた。元に戻したいが、溶接による加工が必要なのでショップにお願いすることにした。

こうして見るとすごい作業量だなぁ...3ヶ月もかかるはずだ。やってる本人はとにかく無我夢中なので大した作業はしてないように感じるんだけど・・・

☆かかった費用大公開
復活にかかった総費用を洗い出して見ると、下記のようになりました。
費目金額備考
GT6本体300,000円
陸送費(長野~東京)20,000円
パーツ代(spitbitsから購入)約100,000円商品代665.3ドル+運賃が202ドル。1ドル115円換算で99,740円
パーツ代(BRGから購入)約25,000円
バッテリー 12,800円
オイル類7,000円
タイヤ4本(工賃他込み)約28,000円
車検費用170,000円サイドブレーキの復活など、F自動車のFさんが自分で作業してくれて(普段は社長業専業)、その分の工賃は請求しないでくれました。ありがたや! 普通に請求されればあと5~6万円はかかったでしょう
合計約662,800円

う~む、、、50万円程度で収まるかと思っていたが、結構かかってしまった。通帳の残高が減っていくはずだ。
安いか高いかは微妙な数字だな。
これ以上大きな問題が出なければ安い買い物だろうけど、さらに何かが待っていれば数字はさらに膨らんでいく可能性あり。

でも充分に楽しめたので、それで良しとしましょう!
GT6君、これからも宜しく!ということで、復活編はこれで最終回とさせていただきます!
今後の整備、トラブル対応作業は”メンテ編”として別ページに書き加えていくことにします。