トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>Triumph Spitfireとの出会い(2002年4月)
☆旧車のトラウマ?青春の思い出?
あこがれのスポーツカー
トヨタS800
ついに買ってしまいました。旧車のスポーツカーを。
1972年式 トライアンフスピットファイア Mk IV 1300cc 英国製。
なんと今から30年も前の古い車です。(左の写真は違いますよ)

いつの頃からでしょうか、僕が旧車が欲しいと思い始めたのは・・・・
なんとなく、40歳を超えたあたりからのような気がします。(イ、イカン、いきなり年齢をバラしてしまった・・・(^_^;) )
でも、原点は高校生の頃に見たトヨタS800かもしれない。(それが左の写真です。)
昭和46年頃かな?彼女とのデートコースの民家のガレージに何気なく止めてあった真っ赤なかわいいスポーツカーを 見つけたときの気持ちは今もはっきり覚えています。
「かっこいいなぁ~!、いつかは僕もこんな車を持ちたいなぁ~!」

そんな気持ちがトラウマのように心の底にあって、この年になってそれがムクムクと頭をもたげ始めてきたのかも知れません。
となれば、やっぱり欲しいのはあこがれのトヨタS800ですが、これが値段が高い!
程度のそこそこいいものだと200万円以上はあたりまえ。独身貴族ならいざ知らず、当方子持ちのファミリー。
家族で乗るためのでっかいRVを所有しているので、その上でそんな買い物できるわけがありません!
かといって、今の車を売るなんぞ、家族からのブーイングは目に見えてますし、僕も寂しい。
こりゃ無理か、とあきらめつつ、でも、旧車への興味も消えることなく、ずっと過ごしてきてました。
☆Yahooオークションでの出会い
そんなある日のこと、例によって休みの日にインターネットでなんとなく旧車の情報を検索しておりました。
比較的、手に入れやすい価格の旧車のスポーツカーって、ヨーロッパの輸入車に多いんですよね。
MGB、MGミジェット、アルファロメオスパイダー、トライアンフなど、そこそこの程度のものでも100万円あれば何とかなる。
以前は結構MGBがいいな(アルミバンパーのやつ)、と思ってたんだけど、意外とトライアンフスピットファイアの腰の くびれたデザインも好きだなぁなどと思い始めていたころだったので、それとなくYahooオークションで検索してみると、 実動のトライアンフスピットファイアが40万円で出品されてる!
写真も見た限りでは、そこそこ綺麗だ。
確かにトライアンフスピットファイアという車は、特にステータスがあるような車ではないので(英国ではどちらかというと 労働者階級向けの大衆車スポーツカーという位置付けだったらしい)、MGなど、他の欧州の旧車スポーツカーに比べると 価格は安い。近所の中古屋さんでも、以前、60万円位で売られていたのを見たことがある。
でも、実働で40万なら安いんじゃないの?とりあえず実車を見てみようか、と、軽い気持ちで入札。
もともとそんなに人気のある車ではないので、あっさり41万円で落札した。
出品場所は神奈川県藤沢市。早速、休日を利用して家族をつれて東京板橋から現地まで実車を見に行くことにしました。
YahooオークションでみつけたTriumph Spitfire
☆英国旧車がいっぱい!
ゴールデンウィーク直前のある日のこと、買いたい車がある旨を妻に伝えると、あんたも好きねぇ、という半ば冷たい目線で、
「ふ~ん、程度が良かったらほんとに買うの?」
「ん?ん?、そ、そうだねぇ(なぜかしどろもどろ)、程度にもよるけど、気に入ったら買いたいよねぇ~、ハ、ハハハ、」
あまり乗り気ではない妻と子供に、
「藤沢だから湘南が近いぞぉ~、、海が見れるぞぉ~」
と、ドライブであるような錯覚をおこさせ、半ば強引に目的地に向って車を走らせ始めました。

途中、家族の視線を見て見ぬふりをしながら黙々と運転、無事現地に到着。
出品者は、スペックファクトリーという会社です。
この会社は、英国の旧車を直輸入して、それをそのまま、あるいはレストアして販売している会社らしく、 この車を置いていたスペースにはミニを中心に、何やら見たことがないような英国の旧車が所狭しと置かれたありました。
ミニが好きでレストアしてみたい、と言う方にはここはきっと宝の山に見えるにちがいありません。

対応していただいた担当者の方曰く、
「最近はミニの人気が高く、そちらのレストアや整備の作業に時間が取られてしまい、とてもスピットの面倒まで みる時間がないんですよ。
保管場所もいよいよ狭くなってきたので、いっそのこと処分してしまおう、ということで、出品したんですよ」
とのことでした。

さて、そんな環境の中に、落札したスピットファイアが置かれていました。
1目見た感想は、
「う~~ん、ボロい!」
でした。
オークションの写真では結構綺麗に見えましたが、実物はというと、ボディのところどころ、腐りの出ている部分も あり、内装もくたびれ果てており、マフラーなどは一部が腐って穴あき状態。
サスペンションはというと、フロントのコイルスプリングなんかよたっちゃてるし、リヤのリーフスプリングもだいぶへたってるみたい。
フロントよりリアの方が少し沈んでる感じがします。
普通にスポーツカーを購入して乗りたい、というだけならきっとこの状態の車を買う人はいないでしょう。

でも、何か僕にとっては惹かれるものがありました。
学生時代、車いじりが大好きだった僕としては自分でスポーツカーをレストアできる、ということは大きな魅力でしたし、 この車の状態はド素人の僕にでもなんとかなりそうに感じたのです。(単なる思い込み?)

シャシーは表面的な錆はあるものの、腐りが出るところまではいっておらず、許せる範囲では?
これなら錆を落として、磨いて再塗装すれば、立派に生き返りそう。
また、エンジンルーム内の主要な機関、素人目でしかわかりませんが、比較的綺麗なように思えました。
さすがにゴムホースやシールの類は相当ボロくなっており、エキマニなんかも錆に覆われた状態ですが エンジン本体は結構まだまだいけそう。
オルタネータなんぞは一回交換してるのかな?他の補機類に比べるとかなり状態がいいみたい。
で、キーを借りて、エンジンをかけてみました。
「ウィン、ブゥオゥン、ブゥオゥン、ブゥルンブゥルンブゥルンブゥルン・・・・・・」
おおっ!ち、ちゃんとかかるではないか!しかも1発で!(マフラー腐ってんでちょっとうるさいんスけど・・・)
外見の割にはエンジンの吹き上がりも良い。ひょっとして現在所有のRVよりいいかも・・・。
やっぱりいいねぇ~このエンジン音!(マフラー音はうるさいよ) このにおい!
最近の車はみんなただただ静かで無味無臭!味気無いったらありゃしない!
やっぱ旧車は最高!
写真では奇麗に見えますが・・・
左ダッシュポードの上は・・・ウレタンがボロボロです。
マフラーです。錆を落とすと穴が・・・
トランクの蓋の左後方部分です。ほぼ腐っています。
☆購入決定!
以下、心の声
シャシーとエンジンがしっかりしてれば、多少、外装、内装がくたびれててもいいんじゃないか、
キャブレターなんかはオーバーホールすればまだまだいけるよね、
足回りだって交換すれば大丈夫、
ミッション、デフの程度は残念ながら全くわからないけれど、まぁそこは程度がいいことを祈るしかないか、
”Spitfire MKIV”って結構珍しいかも。国内ではアメリカから輸入した”Spitfire 1500”が多いよね、
これは英国直輸入だから右ハンドル。これも国内の”Spitfire”としては珍しいかも、

などと、頭の中で、買うことを決意するための理由を色々並べ、すでに80%は購入決定モード。
あとは値段。オークションで41万円で落札したので、オークションのマナー上は価格交渉は×が当然。
でも、モノがモノだけに、出品者の方が値段交渉に応じる意思があれば、マナー違反にはならないよね、
などど勝手な理屈をこれまた頭の中で並べ立ててから、
「う~ん、結構気に入ってますが、あとは値段ですよね」
と切り出すと、
「そうですね、この状態なので、多少は考えてもいいですよ」
と快い返事。
で、この後激しい(?)交渉の末、3?万円(3万円じゃないっすよ!)にて無事交渉成立。
晴れてこの車が私の物になりました。担当者のHさん、ありがとうございました!

引渡しは、後日、私がキャリアカーで引き取りに来ることになりました。
自走可能とは言え、数年間、屋外にずっと置きっぱなしになっていた個体ゆえ、さすがに藤沢から東京まで乗って帰る勇気はありません。
まずは引き取り、安心して走れる状態に整備することから、この車とのお付き合いを始めることにしました。
時は2002年4月20日のことでした。


余談:帰り道での妻との会話
「ほんとに買っちゃったの?」
「うん、買った!」
「へぇ~、私は車をみた瞬間、こんなボロボロの車は絶対に買わないだろうなぁって思ったけど・・・」
「いいの、いいの、大丈夫!(何が大丈夫なんだか・・・)これから綺麗に直して乗るからさ、オープンにして乗ると気持ちいいよ!」
「いい、あたしは恐いから絶対に乗らない!」
「・・・・・(あ~ぁ、そうですかっ、すっごく綺麗にかっこよくなって、乗せて、って言っても絶対乗せてやんないかんね!)」