トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>ブレーキの分解に着手!(2002年6月)
☆整備性は抜群のSpitfireなのです
さて、エクステリアのとっぱずしが終わり、屋根つきで日陰の作業環境も確保できたところでいよいよメカ部分の整備に着手します。
この車のボンネットは、フェンダーと一体になっています。
なので、ボンネットをガバッと空けると、足回りとエンジンルームを遮る物は何もありません。
ですので、非常に整備がし易いわけです。
さほどステータスのある車ではないにもかかわらず、世界ではいまだにレストア対象の旧車としてユーザーが多いのは、 この整備性の高さに拠るところが大きいと思います。
実際に分解作業に着手すると、そのことははっきりと実感できます。

おもしろいことにこの車、エンジンルームのシュラウドは硬質の紙でできています。
画像のエンジンルームの薄汚れたパネルがそうなんですが、これ以外にも色んな部分が紙でできています。 グローブボックス、ミッションカバーなんかも紙です。なんともユニークと言うか、この時代の車ってそうなんでしょうか? まさかね、、、
ボンネットを開けたところ。遮る物はありません。
エンジンルーム左側。薄汚れたパネルは何と紙でできたシュラウド
☆まずはリアブレーキから・・・
リアブレーキのドラムを外したところ まずはリアのブレーキから分解することに。
学生時代にはブレーキのパッド交換、ブレーキフルードの充填&エアー抜き等は自分でやっていたのですが、 ドラムブレーキを扱うのは初めて。
ましてや分解してOHしようってんですから、これを無謀といわずして何を無謀と言わんや!
一応、Spitfireの整備書(英語版)や月間Old Timerの別冊、『レストア入門』で知識だけは入れておきました。
特に、『レストア入門』で紹介されていたリアブレーキのOHに使用されている車種がトライアンフ(TR4)だったので、これは大変参考になりました。
タイヤを外して、ドラムを外す。錆で固着していると思っていたのですが、おそらくスペックさんで整備してくれていたのでしょう。
すんなり外せました。でも錆だらけなのは間違いないですね。
あとはスプリング、ブレーキホース、シリンダーをはずす。分解するのは意外とすんなりいきました。
ショックアブソーバーや各種アーム類もかなり錆だらけで、これも後で外してサンドブラスト&再塗装する予定です。
☆リアはよかったけど、フロントは大変!
リアはよかったけど、フロントは大変!
キャリパーを外すのもすごい力が必要。ボルトがかなりきつく締まってますもん。
やっとの思いでボルトを緩めたはいいけど、パッドも錆でディスクと固着してるし。
ようやくキャリパーを外してみると、写真のように内側は錆に覆われた状態です。ひぇ~~(^_^;)
そんな状態なので、当然ピストンもシリンダーから簡単に外れてくれるわけがない。
あの手この手で引っ張り出そうとしてもビクともしません。知り合いの自動車屋さんから
「キャリパーをディスクから取り外した状態でブレーキを踏めば抜けてくれるよ」
とのアドバイスを貰い、実行したところ、ようやく一つのピストンが頭を持ち上げてくれました。
恐る恐る抜き出してみると、ピストンもところどころ錆が浮いている。シリンダーの中も全体が茶色くって・・・
「400番から1000番くらいのサンドペーパーで軽く表面を磨いてやれば奇麗になる」
とのことでしたが、錆は範囲はたいしたことないのに、結構深いみたいで、全然奇麗になりません。
きっとプロだったらうまく処理して生き返らせることができるんでしょうが、こっちは全くのど素人。
OHしようとしているパーツがパーツだけに、へたなことやると大事故につながりかねません。
色々悩んだ末、結局キャリパーはそっくり新しいものを買うことにしました。
さっそくSpitbitsに発注。この時一緒にダッシュトップカバー(ダッシュボートの表装ですね)も注文しました。
前回同様、注文からきっちり1週間で届きました。
キャリパーは1セット(キャリパー本体にピストンを組み込んだ状態。パッドも付属)で80ドル。安い!
手間とリスクを考えればホント安いもんです。(でも、ほんとはボロボロを蘇らせてこそのレストアなんですけどね・・・)
ダッシュトップカバーは45ドル。これも安い!
下の写真が購入品です。
あとは足回りのアーム類をサンドブラスト&再塗装し、ショックを新品に交換しよう。

フロントのホイールを外したところ
やっとの思いでキャリーバーを外して見ると・・・

発注商品一覧
DESCRIPTION数量単価金額(US$)金額(\)運賃(\)合計金額
LOADED CALIPER ASS'Y RH110510513,6725,12518,797円
DASH TOP OVERLAY145455,8592,1968,056円
TOTAL15019,5317,32126,853円
届いた請求書を見てみると、キャリパーの単価に"Core Charge”なるものが25US$付加されていた。これは何じゃろ?
これを入れると結構な金額になってしまう。もうひとつのキャリパーは何とか復活させるようがんばってみよう。