トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>シリンダヘッドを外す(2003年2月) |
☆シリンダカバーを外すと中はドロドロ | |
うひょ~!粘土状になったオイルでドロドロ! |
シリンダヘッドを外そうと思います。 本来、エンジンを分解する場合はエンジンごとそっくりエンジンクレーンで本体から分離し、エンジンスタンドに固定した上で行うのが一般的なようです。 そのためのエンジンスタンドもエンジンクレーンも購入済みですが、少し作業手順を変えることにしました。 ここまでの分解作業で、どのボルト/ナットも固着しており、緩めるのに非常に大きなトルクが必要であることがわかってきました。 大きなトルクを支えるのに一番都合がいいのは、車体に組み付けた状態です。 エンジンスタンドに取り付けた状態だと、きっとスタンド自体が倒れてしまうでしょう。 なので、シリンダカバー、シリンダーヘッドやタイミングカバー等は取り外し、緩められるボルト/ナットはすべて緩めてから本体から分離することにしました。 まずはシリンダカバーを外しました。 醜い・・・・真っ黒いオイルでドロドロです。オイル上がりがおきてるのでしょうか? 気を取り直して、ロッカーシャフト、プッシュロッド等、組み付けられているものを全て取り除き、シリンダヘッド部を持ってガクガクと動かしてみましたが、全く外れる気配がありません。 木切れとハンマーを使って下からコンコン叩いてみましたが、同じです。 液体ガスケットが貼り付いてしまっているようです。 そもそもハンマーが小さすぎるような気がしてきました。もう少し重量のあるものを入手したほうがいいかも・・・ と言うわけで、この日、プーラーとハンマーを買いに出かけました。 翌日、買ってきたハンマーを使って下からコンコン叩いてみたが、やはりビクともしません。 でも、少しだけ隙間ができたような気もします。 例によってドライバを隙間に向けて(というより、ガスケットを少し潰して押し入れるような感じで)慎重に打ちつけていき、面を痛めないように慎重にこじると、少しだけ隙間が広がりました。 同じ要領で四方から少しづつ隙間を広げていき、なんとか1cm程度、全体を上に持ち上げることができました。 そこからシリンダヘッド全体を持って上に引き上げようとしましたが、持ち上がりません。 隙間を見ると、ガスケットがへばり付いたままの個所がありました。 ドライバーを使ってガスケットを全部剥がすと、やっとシリンダヘッド部が外れてくれました。 ここで1点、失敗談。 シリンダヘッドのボルトを緩める時、緩める順番があるのでご注意を。 組み付ける時に締める順番があり、それと同じ理由で、緩める場合にも順番があるそうで、このときはうっかりそのことを忘れて、適当に緩めてしまいました。 シリンダーに歪みが出ていなければいいのですが・・・ |
OHVエンジンの特徴、プッシュロッドです。この棒がカムの動きを受け止めてロッカーシャフトに組みつけられたロッカーアームを動かし、それがバルブを開閉させます。 | |
これがロッカーシャフトです。バルブ開閉のための機構です。 | |
☆オイルの堆積がすごいです。簡単には綺麗になりません。 | |
シリンダヘッドの下から現れたのは、カーボンが真っ黒く堆積したピストンの頭でした。 なんか、カーボンだけで数ミリは積もってんじゃないの?ってくらいです。 このSpitの英国の前のオーナー、オリジナルにこだわってたりとか、ボディも綺麗に塗装していた割にはエンジンのオーバーホール等は全然やってなかったんじゃないでしょうか? 日本に輸入されたあと、雨ざらしの結果、外装がひどくいたんでしまったのは納得いくけれど、普通、ただ置いといただけじゃ機関の中がこんなに真っ黒になるわけないですよね? ま、これから綺麗にするつもりなんで別にいいですけど・・・ で、続けてタイミングカバーを外しました。カバーの周りが真っ黒、ドロドロのオイル汚れがひどくて、普通のエンジンクリーナーくらいではなんの効果もありません。 一番効果的だったのがキャブレタークリーナーです。 吹き付けると白い泡が汚れを浮き上がらせてくれます。それをウエスでふき取りますが、なにしろこびりつたオイルの量がすごく、綺麗に落とせません。 ある程度ふき取ったところでボルトを緩め、カバーを外しました。 |
ついに顔を出したピストン。カーボンが積もってます。 |
タイミングカバーの下部です。オイルが固まった状態でびっしりこびりついてます。 | クランクプーリーを外し、タイミングカバーを外しました。下のクランクシャフトの回転がチェーンを通して上部のタイミングギアに繋がり、カムシャフトが回転します。 |