トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>ついにエンジンを降ろす(2003年3月)
2月の半ばにはエンジンを降ろす予定でしたが、アクシデントが発生。
2月15日の土曜日、家族で日帰りスキーに行ったのですが(私のモットーですが、いくら趣味に没頭してる時期でも、自分の時間の何割かは必ず家族と遊ぶことにしています)、 年を省みず無茶をしてコブコブ急斜面で大転倒、左足ふくらはぎ肉離れで全治1カ月と診断。
2週間はまともに歩くこともできませんでした。
当然、大掛かりな作業は何もできず、やむなく自宅で取り外したロッカーアッセンブリの分解&クリーニングやタイミングカバーのリペア等をやりました。
☆いよいよエンジンの吊り上げをする日がやってきました。
エンジンとミッションの連結部のボルトを緩め、チェーンを掛けました。 痛みが残る足を引きずりながら近くのホームセンターでチェーンとチェーンを連結するための金具を購入しました。
長さは2mのものを2本購入。1m当たり370円、連結金具は1個500円程度でした。
通常、エンジンにはシリンダヘッドの2箇所にチェーンフックを引っ掛けるための金具が標準で取り付けられているそうです。
最近の車には付けていないものもあるそうですが、スピットには確かに付いていました。
が、今回のレストアの作業手順上、シリンダヘッドは既に外してしまっており、その金具を利用することはできません。
ですので、エンジン本体にチェーンを1周させて吊り下げるようにします。
そのためにチェーンにある程度の長さが必要と考え、2mを購入したのですが、実際にやってみると1.5mもあれば十分のようですね。
シリンダヘッドの金具に引っ掛けて吊るす場合だと、たぶん0.5mあれば十分だと思います。

準備完了し、実作業を開始しました。まずはミッションとエンジンの連結部分のボルトを緩めます。
ここはさほど錆は発生していないみたいで、緩めること自体は大変ではなかったですが、ミッション側のプレートの裏側に手を伸ばし、ナットをめがねレンチで固定してからボルトを緩めないとボルトが抜けてくれないので、多少、窮屈な姿勢での作業を強いられました。
でも全然たいしたことはありません。あ、忘れていましたが、ここを外す前に、ミッションを下からジャッキで支えておく必要があります。
でないと、ミッションがドライブシャフトを掴んだまま、地面に落下してしまいますので要注意。

さて、ボルト類を緩めたところでエンジンクレーンの登場です。
駐車している車の後部に寝かせて置いていた、くそ重いクレーンを肩で支えながらずるずると車の前まで引っ張り出しました。
クレーン自体には移動しやすいように大きなキャスターは付いているのですが、何しろ砂利の駐車上なので、このキャスターはほとんど役に立ちません。
ひたすら力技での移動です。折りたたんでいた足を倒し、クレーンの支柱を適当な高さまで持ち上げ、油圧のレバーを閉じます。
この状態で車の前からエンジンの上にクレーンのフックがくるように移動させます。
そしてチェーンをエンジンに巻き付けてクレーンのフックに架け、チェーンは連結金具でつなぐ。
あとはクレーンを加圧し、支柱を持ち上げていきます。
少しエンジンが持ち上がったところでストップ。緩めておいたエンジンマウントボルト、ミッションとエンジンの連結部分のボルトを抜き取ります。これでエンジンが宙に浮きます。
あとはさらに加圧して持ち上げ、そのままクレーンを車前方に移動し、吊り上げ作業は完了です。

こんな感じでエンジンクレーンで吊り上げます。
思っていたより簡単にエンジンが持ち上がりました。
☆クラッチ、フライホイールを分解
さて、吊り上げたエンジンを見てみます。クラッチ機構とともにフライホイールが顔を出しています。
表面がうっすら錆で覆われています。普通、この部分って錆が出るもんなのでしょうか?
エンジンスタンドに取り付けるためには、クラッチ機構とフライホイールを取り外す必要があります。
吊り上げたエンジンを一旦地面に下ろします(安定させるために木材の上に置きます)。

クラッチのボルトを緩めます。これは固着もなく、比較的容易に緩めることができました。
フライホイールはボルトを緩める時、ホイールが回転しないように、何かで止める必要があります。
画像のように、歯止めになるものをボルトと歯車の間に噛ませると、意外とすんなり外れてくれました。

フライホールを外し、続いてエンジンバックプレートを外せば、オイルシール、ハウジングが見えます。
これらはいずれも簡単に外せました。錆びの固着もなく、まあまあ綺麗な状態でした。

あとはこいつをエンジンスタンドに取り付け、オーバーホールに着手します。
手前からクラッチ、フライホイール、エンジンバックプレート
歯止めを噛ませてフライホールのボルトを緩めます
エンジンバックプレートのボルトも簡単に緩みます 内側のドーム型がオイルシールハウジング