トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>>ピストンオーバーホール(2003年7月)

☆ピストンとバルブ類をサンエスKに浸ける
カーボンで真っ黒のピストンやバルブなど、普通の洗浄剤では簡単に綺麗になりません。
何か良い方法は無いかと、例によって色々インターネットで調べていると、見つけたのは”サンエスK”なる油脂系洗浄剤。
特にカーボンが付着したパーツ類は、何日か浸け込んでおくとウソのように綺麗になるとのこと。
”ストレート”という、工具のネットショップで購入できるらしく、早速注文しました。1袋600円を2袋注文しました。
70~80度に熱したお湯で3~5%程度の濃度に溶かし、それにピストンを浸けました。
ピストンは気筒ごとに整理しておく必要があるので、100円ショップで買った単行本用の整理ボックスを四つ用意し、1~4番まで番号を振り、それぞれに溶剤とピストンを漬け込みました。
3日程漬け込んだ後、取り出して見てみると、確かにカーボンが溶け出していました。
ブラシで擦ると綺麗なピストンのアルミ素材が顔を出しました。
なかなかいいんじゃないでしょうか。

ピストンの表面は細かい荒れはありますが、目立つ傷のようなものはなく、このまま再利用しても問題ないように思えます。
手に触ってわかるような荒れた部分は、1500番のサンドペーパーで軽く磨いてやると滑らかになりました。
あとはピストンリングを外しました。簡単に外せます。
別に再利用するつもりもなかったので適当にリングを広げて抜き取りました。何本かは簡単にポキっと折れてしまいました。

シリンダヘッドも同様にサンエスKに浸け、ひどいオイル/カーボン汚れを落としました。
これが油脂系洗浄剤のサンエスKです。カーボン落としに効果あり
元のカーボンで真っ黒な画像(ほんとに真っ黒でした!)を誤って消してしまったのですが、こんなに綺麗になりました。ピストン、バルブ、バルブスプリングを気筒ごとに小分けして保管します。
☆ピストンに新品のピストンリングを組み付けた
ピストンリングは4気筒分のセットでも35.95ドルと、非常にリーズナブル。
スピットのパーツ類はとにかく全般的に安い。
30年前の旧車のパーツなのに国産の新しい車のパーツより明らかに安いように思います。なんでだろ~ぉ、なんでだろ~!
日本人って、国内ではやっぱ高いものを売りつけられてんじゃないでしょうか。

さて、ピストンリングの組み付け作業は思っていたよりもずっと簡単でした。
特に工具も必要ありませんでした。
三つある溝の一番下から組みつけていきます。
一番下の溝には3本のリングを入れるようになっています。どのリングをどのように入れるかは説明書に記載されているので解ると思います。
入れ方は、リングの切れ端の一方をまず溝に掛け、ピストンの外周に沿ってリングを溝にはめ込んでいきます。
最後は、リングを広げるために少し外側に引っ張ってあげればすんなりはまります。
あまり広げすぎてリングをポッキリ折ってしまわないように注意しましょう
上の2本のリングも同様に一端を溝にかけてから外周に沿ってリングを広げながら入れていきます。
上の2本は下と異なり、組み入れても画像のようにリングはかなり浮いた状態です。
このままでは当然ピストンに収まらないので、ピストンリングコンプレッサを使ってこいつをギュッと締めた状態にしてピストンに挿入するわけですね。なるほどなるほど・・・
ピストンリングは一方の端を溝に引っ掛け、少し広げながらはめ込んでいきます リングの径はピストンの径よりも大きくできています