トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>マスターシリンダオーバーホール(2003年5月) |
☆外装をサンドブラスト | |
すっかりくたびれてしまったブレーキマスターシリンダ |
ブレーキとクラッチのマスターシリンダーをオーバーホールしました。
まずは外装から。 アルミ製なので錆こそありませんが、30年の歳月が表面をかなりくたびれた状態に変えてしまっています。 spitfire1500のブレーキマスターシリンダはダンパーが樹脂製のものになっていますが、1972年製のMK4のものは初期型で、クラッチマスターシリンダーと同じアルミ製です。 初期型のブレーキとクラッチのマスターシリンダーの違いはダンパーの大きさだけです。 ブレーキの方がクラッチよりニ回り以上大きいです。 こいつをサンドブラストにかけました。シリンダ内部に砂が吹き込まないようにしっかりマスキングしてからブラストにかけます。 サンドブラストの砂を噴出する力は相当なもので、少しでも隙間があるとそこから容赦なく砂が吹き込みますので要注意。 アルミに輝きを出すためには、まず荒目の砂でブラストし、その後にガラスビーズの微粒子を吹きかけます。すると見違えるように綺麗になります。 ダンパーの表面は綺麗に蘇りましたが、キャップがダメでした。所々、アルミが朽ちかけていて虫食い状態。部分的にアルミ下地のスチールが顔を出しています。 パテ塗りしてシルバー塗装する手もありますが、このキャップ、パーツショップのBRGさんでわずか1,200円で購入できるので、新品に交換することにしました。 |
小さいほうがクラッチマスターシリンダです。 | ブラストが完了し、輝きを取り戻したアルミ素材 |
☆シリンダオーバーホール | |
マスターシリンダのオーバーホールキットを購入し、オーバーホールに挑戦することに。 何と言っても"ブレーキ"という、車の安全の根幹を成す機構の一番重要なパーツです。 へたすると命にかかわる部分でもあり、慎重にやりたいと思います。(というか、そんなことを素人がやってもええんかいな!) でも、構造を見た限り、そんなに複雑な訳ではありません。特に、初期型のブレーキマスターシリンダはタンデムではなくシングル構造です。 今の車のブレーキマスターシリンダは、安全のため、シリンダ+ピストンをふたつ内蔵しています。片方がダメになってももう片方で制御ができるようにということで、タンデム構造になっているわけですね。 でもspifireMK4のシリンダは古いのでシリンダ+ピストンがひとつしかありません。構造が単純なのはいいですが、効かなくなったらサイドブレーキかエンジンブレーキしか無いわけですね。ちょっと恐いなぁ オーバーホール実施に当たっては、spitifireレストアの大先輩、URANIWA ENGINEERINGさんのホームページを大いに参考にさせていただきました。 まずピストンからシリンダを抜くことから始めます。 ピストンはシリンダの中に埋まった状態です。このままでは抜くことはできないので、頭を下にしてコンクリートか何か固いものにシリンダごとコンコンと叩きつけます。 すると、ピストンの頭が出てきますので、それを指で掴んでウンニョッと引きずり出します。錆で固着でもしていない限り、指の力で抜けてくれるはずです。 抜き取ったピストンにはゴムのシールとスプリングが付いているだけの単純な構造。 購入したオーバーホールキット(ドル)には何が入っているのかと思ったら、ただゴムのシールと止め具とキャップのパッキン、組み付け用のグリースが入っているだけでした。 せめてスプリング位は付いててもいいと思うんですが・・・ で、やることはスプリングの部分をピストンから分離(止めている小さな爪を押し込むと外れます)し、各パーツを拭くなり洗うなりして綺麗にし、ゴムのシールを新品に交換し(組み付け時にグリースを薄く塗るそうです)、元通り組み付けます。 ピストンは表面がかなり汚れており、洗ったくらいではだめでしたので、1500番の耐水ペーパーにCRC-556をつけて軽く磨くと綺麗になりました。 あとはシリンダの中のゴミや汚れを綺麗に拭き取ったあと、ピストンを挿入します。私はすべりをよくするためにシリンダの内側にブレーキオイルを塗ってから挿入しました。 一番奥まで押し込んでから指を離すとスプリングの反発でフワーッという感じでピストンが押し戻されてくるようなら大丈夫かな? 戻ってこなかったり戻りの速度が遅いようだと、スプリングが弱ってしまっているか、シリンダ内にゴミや傷があるか、あるいはシールの組み付け方が悪い、ということだと思います。(たぶん・・・) これでちゃんとブレーキが効いてくれるんでしょうか・・・ やったことないんで知りまへ~ん! | シリンダから頭を出したピストン。薄く錆が出ています |
これが抜き取ったピストンのAssyです | |
1500番の耐水ペーパーでピストンを研磨すると・・・ | |