トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>バルブ擦り合わせは難しい?簡単?どっち?(2003年9月) |
☆プロの目で当たりを見てもらうことに | |
当たりが出てるか出てないかの判断がつかないので、理和オートさんを訪問し、バルブの当たり面を見てもらいました。 当たりの部分は出来てきているが、目が粗いとのこと。ルーペを持ち出してきてシート側の当たり面を拡大して見せてくれました。 「スジがいっぱい見えるでしょ?これが滑らかになって艶が出てくる状態まで研磨しておかないと、微妙に圧縮漏れが出てしまうんですよ」 とのこと。 見てみると確かに細い線が傷のようになって見えます。このせいで艶がなくなってしまってるんですね。 虫眼鏡で当たり面を確認しながら擦り合わせすると良いとのアドバイスをもらいました。 オーナーの話だと1本のバルブ擦り合わせにはかなり時間がかかるとのことで、8本全部やろうとすると1日仕事になるようです。 でも、色んなホームページを見てみると、1本10数分程度で終わらせているようなのもあるし、確かに1本に1時間以上かかる、なんていう人もいるし、本当の所はどうなんでしょうね? どっちかよくわからないので、私は時間ではなく、擦り合わせ面のなめらかさを見て判断しようと思います。 |
☆当たり面が見えてきた! | |
理和さんからのアドバイスを元に、再度バルブ擦り合わせに挑戦しました。 ざっと擦り合わせしただけの状態からさらに研磨し、綺麗に艶が出る状態まで仕上げなければなりません。 やってやりましょう! ということで、まずは細目のバルブコンパウンドを使って擦り擦りパンパン、擦り擦りパンパン、とひたすら擦り合わせました。 何度かコンパウンドを塗り直して30~40分ほど続けました。すると、バルブの当たり面側には白く輝く部分が細く現れました。 なるほど、これこそ当たり面、って感じがします。幅にするとまだ0.5mm程度です。 バルブシート側の当たり面はというと、ほんとに細~い線状で艶の部分ができてます。 こりゃぁまだまだ擦り擦りしないと・・・って、ちょっと時間かかり過ぎっす! 全部で8本あるのに、これじゃ1日では終わりません。 どっかのホームページで、1本10数分で終わったとか、シートカットしてあれば刷り合わせ時間はもっとかからない、とかって載せてるのがありましたが、本当かなぁ・・・ いかに僕が非力だとしても、これだけ固い材質のものをそんなに短時間に研磨できるもんでしょうか?それとも単に僕のやり方がまずいだけなのか? でもプロの人も、すごく時間がかかると言ってたし・・・ 誰か真実を教えてくれ~! と、悩んでいても仕方ないので、試行錯誤です。今度は細目じゃなくて荒目のコンパウンドで少し研磨してみました。 特に大きな違いは感じません。 なんとなく研磨し過ぎが恐いので、やはり細めで気長に擦り合わせすることにします。 排気側をさらに30分近く擦り合わせ、今度は吸気側を。 吸気側の方がバルブのサイズが大きく、その分、大きな力を加えることができるからでしょうか、排気側よりも研磨できる時間が早いように感じます。(それとも慣れて来たせい?) この日は1番の吸排気両方を、結局1時間くらいかけて当たり面らしきものが出てくるまで擦り合わせしました。 右上の画像の白い部分が当たり面で、その上下のグレーの部分は研磨剤です。研磨してれば自然と研磨できた部分と研磨剤の境目ができ、当たり幅がわかります。なので、この作業には光明丹は必要ないと思います。 バルブ側に比べると、バルブシート側の当たり面はすごく細いままですが、後で聞いたところ、シート側はそれでいいそうです。 |
真中の白く輝く部分が、出てきた当たり面です |
コンパウンドを拭き取ったところ。当たり面の線がわかるでしょうか?1mmくらい出ればOKだそうです | |
☆バルブ擦り合わせの精度テスト実施。あれれ? | |
擦り合わせの精度をテストしてみました。 吸気排気両方のバルブを挿入した状態で、燃焼室に灯油を注ぎ込みます。 で、時間が経って、この灯油が漏れていないかどうかでバルブとバルブシートの密着度を判断する、という方法です。 比較のため、半日かけて当たりを出した(と思う)バルブと、15分程度擦り合わせただけのバルブ、それとまだ擦り合わせをしていない新品のバルブの3種類でテストをしました。 30分ほど経過し、何と一番漏れていたのは、当たりを出したと思っていたバルブの方でした。注いだ灯油がほとんど漏れて無くなってしまっています。 あとの2種類は少し漏れている程度。 「そんなアホな・・・」 自信があったのに・・・しばし呆然。 でも、当たり面の滑らかさは虫眼鏡で確認し、理屈から言ってもそんなに漏れるはずがない、そういう確信があったので、これはきっと最後に研磨した時の研磨が雑だったか、あるいは研磨剤が綺麗に拭き取れていないか何かに違いない! そう判断しました。 気を取り直して、吸気排気側とも、もう一度簡単(かつ丁寧)に擦り合わせ、最後はブレーキクリーナーで当たり面に残った研磨剤をしっかりと拭きとりました。 で、再度テスト実施。 結果は見事、先ほどのような漏れは全く見られません。 2時間経過し、他の2種類のものは灯油が半分程漏れてしまいましたが、当たりを出したバルブは全然漏れていません。 結果的には4時間位経過すると、1滴程度の漏れが発生していましたが、上出来ではないでしょうか。 ちなみに、3種類の中で一番漏れがひどかったのは、15分程度しか擦り合わせをしなかったバルブのものでした。 その後、理和オートさんを訪問した時に見てもらったところ、 「うん、これでいいでしょう!」 とのお墨付きもいただきました! |
擦り合わせ結果テストの図。バルブを挿入した状態で燃焼室に灯油を注ぎ、漏れ具合を見ます |