トップ>Triumph Spitfire MK4 分解編>ユニバーサルジョイントも簡単には外れない(2005年01月)
☆とりあえずハーフシャフトの汚れを落とし、POR-15を塗布
デフからハーフシャフトのドライブフランジを外すのは4本のボルトナットを抜くだけなので(締め付けトルクもそんなに大きくない)、簡単でした。 ボディを分離しているから簡単なのであって、そうでなければ車体の下にもぐり、それなりに大変な作業のはず。
ユニバーサルジョイントは特にガタや緩みもなかったので、そのまま使うつもりでしたが、好奇心から分解できるものならばやってみることにしました。

ドライブフランジとハーフシャフトのヨークがユニバーサルジョイントで繋がってます 汚れを落とす前のジョイント部分


ワイヤーブラシで汚れと錆を落とし、洗浄液で綺麗に。このあとPOR-15を塗布
☆フランジを外す
まずはフランジ側のジョイントのベアリングキャップを止めているサークリップを抜きます。で、ベアリングキャップを引っ張りだす必要があるわけですが、 ハンマーでフランジの側面やヨーク(ユニバーサルジョントを連結する、U字型の部分)をコンコンと叩くと 衝撃でベアリングキャップが少しづつ上に上がってきます。(ここまではレストアマニュアルに書いてある通り)
キャップの頭がヨークから顔を出せば、それをプライヤーで掴んで引っ張りだせばいいはずです。でも、プライヤーで掴んで引っ張ったくらいではビクともしません。コジろうに全く動きません。バイスグリップで掴んでも全然だめです。
結局、ベアリングキャップを裏側からたがねやポンチを使ってハンマーで少しづつ叩いて押し出し、なんとかキャップを抜くことができました。

矢印の部分をハンマーでコンコン叩くと・・・ こんな感じでベアリングキャップの頭が顔を出します
プライヤーでも引っ張り出せないので裏からタガネで叩いてキャップを押し出し、ようやくフランジを外しました 外れたフランジとベアリングキャップ


☆ユニバーサルジョイントをヨークから外す
続いてヨーク側のジョイントのベアリングキャップも同じ要領で抜こうとしましたが、こちらはまずハンマーでコンコン叩いてもベアリングキャップは少し上に上がってはきたのですが、ヨークから頭を出すところまでは上がってきません。
しょうがないので画像のように一方のベアリングキャップを叩き入れてもう一方のキャップを反対側に押し出す、というやり方でなんとかキャップの頭を引っ張り出すことができました。
本当はこの作業は万力を使ってやったほうがいいらしいのですが、そんな大きな万力は持っていないので、やむなくです。
叩く場合は真鍮製のブラスバー+ゴムハンマーという組み合わせで叩きます。少しでも衝撃を和らげるためです。
こちら側のキャップの頭もプライヤーなどではビクともせず、結局フランジ側を抜いたのと同じく、キャップの裏側から叩いて押し出す、という方法で、なんとかユニバーサルジョイントを外すことができました。

こうやって書くとあっけないですが、実際にはこれだけの作業に試行錯誤でまるまる1日を費やしてしまいました。
当然のことですが、やったことがない作業というのは大抵の場合、成果に結びつくまでに予想よりもはるかに多くの時間と労力を費やしてしまうものです。
プロの方や詳しい方なら数十分とか数時間で済んでしまうんでしょうが・・・

本当は万力でやるべきですが、ブラスバー+ゴムハンマーで慎重にベアリングキャップを叩き入れれば反対側のキャップをある程度押し出すこともできます キャップを引っ張り出せない場合、こんな感じでキャップの裏側からタガネを当ててハンマーで軽くコンコン
片方のキャップが抜けてくれればジョイントをずらすとこのように。細い棒状のものはベアリングです 抜き取ったクロスジョイント。マイナスねじの部分はグリス補給口


☆新しいユニバーサルジョイントを圧入できない・・・
さて、なんとか外すことができたのに気をよくしてさっそく新品のユニバーサルジョイントの組み込み作業に着手です。
抜くのよりも圧入の方が難しいだろうなぁ、と予想はしておりました。万力もなく、ハンマーとブラスバーで押し込もう(叩き込もう)というのですからそもそもかなり無理があります。
押し込む角度の微妙なずれはキャップ内のベアリングを傷めたりすることは十分考えられます。
で、案の定、そうなりました。まず一端のベアリングキャップを押し込み、もう一端のキャップも途中まで押し込んだのですが、あるところから入っていきません。明らかにベアリングが”引っかかっている”感じです。
こうなると押しても引いてもダメ。結果、ハンマーとブラスバーでの圧入はあきらめました。

新品のユニバーサルジョイント。
なぜかグリースの補填ができない構造
ベアリングキャップを外す。
内側の棒状に見えるものがベアリング

う~ん、どうしよう。しょうがない、大きな万力を購入するか。でも結構なお値段だなぁ・・・それなりのものだと2万円程度は覚悟しないと。待てよ、万力じゃなくていっそのこと油圧プレス機なんてどうなの?まさかね、高くて手が出ないよね。
などと思いながら工具ショップのストレートさんのネットショップを覗いてみると・・・なんと、3万円程度で売っているではないですか!あまり大きなものではないですが、ベアリングやブッシュの着脱程度であれば十分でしょう。
う~ん、これを買うかぁ~?!確かにこいつがあればきっと便利だろうな・・・・でも買うのか?買っちゃうのかぁ~?